今や日常のさまざまな場面で登場するChatGPT。
ビジネスはもちろん、日常生活上のサポートまで、ChatGPT多岐にわたる用途で利用されています。
Chatgptを利用するなかで
「ChatGPTをローカル環境で利用したい!」
という方も多いのではないでしょうか。
だけど、導入方法が難しそうだと二の足を踏んでいませんか?
実は「Chatbot UI」というツールを使えば、簡単にChatGPTをローカル環境で利用することができちゃうんです。
今回は「Chatbot UI」を利用した、ChatGPTローカル環境の構築方法を詳しく解説していきます。
また、ChatGPTをローカル環境で利用するメリットや注意点もお伝えしますよ。
ChatGPTをローカル環境で利用するのはOK?
まず結論からお伝えすると、実は、ChatGPTはローカル環境で使用できないんです。
これはOpen AIのポリシーと、API設定によるもので、現時点(2024年7月時点)ではローカル環境ではChatGPTを構築できません。
とは言え、データ保護やプライバシーの観点からローカル環境で活用したい人も多いはず。
そんな時は、ChatGPTをローカル環境で使用できる、フレームワークやオープンソースの導入しましょう。
今回の記事では、多数あるツールのなかから「Chatbot UI」を用いてローカル環境で利用する方法をご紹介していきます。
【ChatGPTローカル構築】Chatbot UIの導入方法
ここからは「Chatbot UI」の導入方法を解説していきます。
Chatbot UIとは?
ChatGPTのクローンの様なUIを体感できるオープンソースのツールのこと。
ローカル環境に実装できるほか、Chatbot UI 2.0のインスタンスをクラウドで実行することも可能。
Chatbot UIはAPI経由でChatGPTを利用するため、ChatGPTの様な操作感を保ちつつ、データが保護された環境で利用できるメリットがあります。
- さまざまなLLMを利用できる
- 会話履歴を保存できる
- フォルダ分けやキーワードによる検索ができる
- よく利用する設定(モデルやプロンプト等)をテンプレート保存できる
Chatbot UIの導入方法
事前準備
Chatbot UIの導入には「Docker」と「OpenAI APIキー」を使用します。
事前準備として、この2点を用意しておきましょう。
こちらの「Dockerのリンク」からダウンロードしてください。
「こちらの記事」にて取得方法をご紹介していますので、ご参照ください。
導入方法
1.Dockerの起動(1)
ダウンロードしたDocker Desktop Installerを起動し、パソコンを再起動させる。
再起動後に下記の画面が表示されるので「Accept」をクリック。
(※)強制的に再起動されるので大事な作業とかは中断して閉じておきましょう!
2.Dockerの起動(2)
次の画面に進み、どちらかを選んで「Finish」をクリック。
3.Dockerの起動(3)
Dockerのアカウントを作成し、サインインする。
4.リポジトリをクローン
Dockerの準備が終えたので、以下のコードでChatbot UIのリポジトリをクローンさせる。
git clone https://github.com/mckaywrigley/chatbot-ui.git
5.依存関係のインストール
必要なライブラリとパッケージをインストール。
cd chatbot-ui
docker build -t chatgpt-ui .
6.設定ファイルの編集
取得したAPIキーを設定ファイルに追加。
これで、Docker上での環境構築は完了です。
Chatbot UIが導入できました。
Chatbot UIを起動させる
1.コマンド入力
以下のコマンドを入力します。
docker run -e OPENAI_API_KEY={APIキーを入力} -e DEFAULT_MODEL={モデル名を入力} -p 3000:3000 chatgpt-ui
OPENAI_API_KEY = 取得したAPIキー
(※)DEFAULT_MODEL = text-davinci-003/gpt-3.5-turbo/gpt-4
(※)使用できるモデルは「こちら」で確認できます。
2.Chatbot UIを起動する
コマンドを実行後、http://localhost:3000にアクセスすると起動します。
ChatBot UIのオススメ便利機能3つ
Chatbou UIには利便性を高める便利な機能がたくさん提供しています。
そのなかから、個人的にオススメの便利機能を3つご紹介します。
1.プロンプト保存機能
自分がよく使うプロンプトを保存しておくことが出来ます。
さらに保存したテンプレートはカテゴリー別に管理できるので、非常に便利です。
この機能のおかげで、チャットボットとのやり取りがサクサク行えます。
2.会話履歴の検索機能
過去の会話履歴をキーワード検索したり、カテゴリー別に分類したりすることができます。
いちいちスクロールで探さなくても、必要な情報がすぐに見つかります。
3.会話履歴のインポート/エクスポート
会話履歴をインポートおよびエクスポートすることができます。
別のアプリケーションやデバイス間でやり取りされた会話データを移したり、バックアップを取れたりします。
ChatbotUIのメリットとデメリット
ChatbotUIを実際に導入する前に、利用するメリット・デメリットについても確認しておきましょう。
メリット
- ユーザーフレンドリーなインターフェース
- カスタマイズできる
- プライバシーとセキュリティーを確保できる
デメリット
- インターネット接続が必要で、完全なオフライン使用ができない
- ローカル環境でのリソース消費が大きい
ChatbotUIは、視覚的にわかりやすく操作しやすいインターフェースなので誰でも簡単に利用できます。
また、UIの外観や機能を簡単にカスタマイズできるので、用途に合わせて使いやすく変更可能。
なによりプライバシーとセキュリティーが確保できるメリットは大きいですよね。
一方で、完全なオフライン使用ができないため、情報漏洩などのリスクは意識しなければなりません。
さらに、ChatbotUIの一番のデメリットとして挙げられるのが「リソース消費の大きさ」。
せっかくChatbotUIを導入しても、リソース消費が大きく継続管理が難しいことから、他の生成AIへ切り替えた例も見られます。
2023年に東京大学ではChatbot UIをベースに作成したチャットボットが学生・教職員向けに学内提供されました。
しかし、運用負担や費用負担などの課題から、2024年には別の生成チャットAIへ移行。
その生成チャットAIも不安定なことから、2024年7月時点でChatbot UIをベースに作成したチャットボットは暫定提供になっています。
利用する前に、これらのメリット・デメリットを考慮して、最適なソリューションであるかを判断することが重要です。
ChatGPTローカル構築「Chatbot UI」導入方法を解説:まとめ
今回はChatbot UIでChatGPTをローカル構築する方法をご紹介しました。
「ローカル構築」と聞くと、一見難しそうに感じてしまいますが、Chatbot UIのようなツールを使えば簡単に導入可能です。
ChatGPTをローカル構築して利用することで、データプライバシーの確保や、Chatbot UI独自機能により更に効率化することができますよね。
その一方で、継続的な維持管理するためにはリソースがかかってしまう課題があります。
ツールの利点と課題をしっかりと把握し、自分のプロジェクトに最適なものを選ぶことが失敗しないコツです。
ChatGPTをローカル構築する際は、ぜひ今回ご紹介した内容を参考にしてみてくださいね。