2023年2月に「ChatGPT API」がリリースされました。
ChatGPT APIを導入すれば、さまざまなアプリケーションやサービスに機能を実装することができるようになります。
今回は「ChatGPT APIの概要や出来ること、導入方法」を分かりやすく解説。
さらに、ChatGPT APIの活用事例もご紹介します。
自社サービスの拡張やChatGPT連携サービスの活用を検討している方は、ぜひ参考にしてくださいね。
ChatGPT APIとは?基本情報をチェック
「ChatGPT API」は、OpenAIが提供する「有料のプログラムインターフェース(API)」のこと。
APIは「Application Programming Interface(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)」の略したもので、異なるソフトウェアやWebサービスでの情報のやり取りをする、いわば「橋渡し役」です。
これまで、ChatGPTはブラウザ上でしか利用できませんでした。
しかし、ChatGPT APIの登場によって、他のソフトウェアやプログラムとChatGPTを連携し、ChatGPTのタスクを実行できるようになったんです。
ChatGPT APIにできること
ChatGPT APIを活用することで、例えば以下のような機能が実装できます。
- 情報検索 文章作成・要約・添削
- 会議の文字起こしと議事録作成
- チャットボットシステムや会話型エージェントの開発
- プログラミングコード作成
- プログラミング言語の翻訳やPythonのバグ修正
ChatGPTの自然言語処理機能を使うことで、さまざまなタスクへ応用することが可能です。
ChatGPTの料金
ChatGPT APIは有料サービスで、月額料金制ではなく、使用した分だけ支払う従量課金制です。
ChatGPTのAPIの料金は「トークン数」に応じて計算され、また、利用する言語モデルによっても異なります。
ちなみに「1000トークンあたり$0.002」となっています。
日本円で約0.31円(2024年6月時点)なので、破格の安さですよね。
ChatGPT APIは、トークン消費残高が確認できたり、料金上限設定も可能なので、安心して利用することができます。
ちなみに、ChatGPT4とChatGPT APIの料金は別計算なのでご注意ください。
【注意】日本語は英語に比べてトークン数が多い!
日本語でChatGPT APIを使うと、英語よりもトークンの消費量が増えることがあります。
ChatGPT APIのトークンは、英語1単語=1トークンとして計算され、カンマや「?」などの記号も1トークンとしてカウントされます。
それに対して、日本語の場合は、ひらがなは1文字あたり1トークン以上、漢字は1文字あたり2〜3トークンでカウントされることが多いんです。
トークンを節約したいときは、英語に翻訳してからChatGPT APIを利用すると良いですよ。
【3ステップ】ChatGPT APIの取得方法
ChatGPT APIの取得方法はとてもシンプル。
たった3ステップで取得することができますよ。
- OpenAIのアカウントを作成する
- APIキーを取得する
- プログラミング言語でAPIを利用(Python)
ここから3つの手順を詳しくみていきましょう。
1.OpenAIのアカウントを作成する
まず、OpenAIのアカウントを作成します。
OpenAIのWebサイト(https://openai.com/product)にアクセスしたら「Get started」をクリックし、アカウント作成に進んでください。
アカウント作成に必要なフォームが表示されるので、必要情報を入力してアカウントを作成していきましょう。
2.APIキーを取得する
アカウント作成ができたら、次はAPIキーを取得します。
サイト(https://platform.openai.com/account/api-keys)にアクセスして、「+Create new secret Key」をクリックして下さい。
新しく生成するAPIキーの名称を付け「Create new secret Key」を選択すると、APIキーが発行されます。
この時、発行されたキーは一度だけ表示され、再度確認できないので、必ず保存するようにしましょう。
ChatGPT APIの活用事例4選
ChatGPT APIの具体的な活用事例を4つご紹介します。
言語学習プラットフォーム「Duolingo」
世界で最も人気のある無料語学アプリ「Duolingo(デュオリンゴ)」。
ChatGPT APIを用いて、新しいサブスクリプション「Duolingo Max」を開発しました。
「Duolingo Max」では
- スマート機能ー間違えた問題の文法説明機能
- ロールプレイーAIチャットパートナー機能
の新しい2つの機能を装備。
このプランでは、AIがユーザーの学習データを蓄積し、それを基に効率的に学習を進められるように進化していく仕組みになっています。
情報キュレーションアプリ「グノシー」
情報キュレーションアプリ「グノシー」では、短時間の動画コンテンツの提供を行っています。
ChatGPTとの連携によって、この動画コンテンツの要約文を自動生成し記事化する「動画AI要約記事」の開発。
これにより、動画を視聴しなくてもその内容を把握できるようになり、ユーザーは自分の好みの動画を見つけやすくなりました。
マッチングアプリ「タップル」
マッチングアプリ「タップル」では、ChatGPTを活用した「プロフィールAI添削」機能を提供しています。
「プロフィールAI添削」は、会員がプロフィールを作成した後、ChatGPTが添削し、より良いプロフィール文にするためのアドバイスがもらえます。
ChatGPTを活用したプロフィール文添削機能はマッチングアプリ業界初の機能です。
リファレンスチェックサービス「Parame Recruit」
「Parame Recruit」は、採用時のミスマッチを防ぐリファレンスチェックサービス。
ChatGPTと連携した「AIサポート機能」で、リファレンスチェックの質問をAIが選択し、リストを作成します。
さらに、選考判断に重要となる内容を書き出してくれるので、チェック作業の大幅に簡略化できます。
面接だけでは分からない性格やスキルを取得した上で判断することが可能となりました。
ChatGPT API利用時の注意点
ChatGPT APIを使用する時に最も気をつけたいことは情報漏洩です。
ChatGPTを使用する際に、ユーザーが自身の個人情報を入力しないようにすることが重要です。
また、いくら便利とはいえChatGPTに依存しすぎるのは禁物。
ChatGPTは大量の文章を学習しているため、一定の精度で文章を自動生成することができますが、苦手なこともあります。
適切な文脈まで理解できていないので、不適切な表現がないか細心の注意を払う必要があります。
また、作成された情報が正確かどうかは怪しいこともあります。
情報が最新でない場合や、誤った情報で文章を作成している可能性もありますので、必ず裏付けを取るようにしましょう。
ChatGPT APIとは?使い方や導入方法を解説!活用事例4選:まとめ
今回はChatGPT APIの概要や導入方法などの基本情報、活用事例をご紹介しました。
ChtaGPTがリリースされて以来、待ち望まれていたChatGPT API。
ChatGPT APIを理解し活用することで、業務効率化やさらなる事業拡大が見込まれます。
ただし、個人情報漏洩や不正確な情報の出力などのリスクがあるため、必ず人の目でチェックするなど活用時には気をつけたいところです。
導入を検討されている方は、ぜひ今回の記事を参考にしてくださいね。