この記事では、AI専門家の野口竜司氏が提唱する「野口式7Rプロンプト」というフレームワークを取り上げ、プロンプトを効果的に活用する方法を探ります。
7Rプロンプトは、AIとの対話を構造化することによって、より精度の高い回答を引き出すという、体系的なアプローチです。
仕事の効率を大幅に向上させるための具体的なステップや実例を通じて、初心者でも分かりやすくその活用法を紹介します。
はじめに
引用:YouTube
AI技術が進化し、ビジネスの現場で活用される機会が増えている中、ChatGPTをはじめとするAIツールの効果的な使い方が求められています。
特に、プロンプトの作成が鍵となりますが、どのようにすれば仕事の効率を高めるプロンプトを作成できるのでしょうか?
この記事では、AI専門家の野口竜司氏が提唱する「野口式7Rプロンプト」を活用し、効果的なプロンプトの作り方を学びます。
プロンプトの基本ステップ
プロンプトを作成する際には、まず「依頼を投げる」「役割を与える」「出力形式を指定する」といった基本ステップがあります。
これにより、AIに対して具体的な指示を与え、期待する結果を得ることができます。
これらのステップを押さえるだけでも、プロンプトの精度が向上します。
野口式7Rプロンプトとは?
野口式7Rプロンプトとは、AIへの指示をより具体的かつ効果的にするためのフレームワークです。
このフレームワークは以下の7つのRで構成されています。
1.Request(依頼):具体的な依頼内容を伝える
2.Role(役割):AIがどのような役割を果たすかを明確にする
3.Regulation(形式):出力の形式や長さなどを指定する
4.Rule (ルール):従うべきルールを設定する
5.Review & Refine (評価・改善) :AIが出力した結果を評価し、改善を図る
6.Reference(参照知識・例):AIが参考にすべき参照情報を提供する
7.Run Scenario(シナリオ):実行すべき具体的なシナリオを提供し、より実践的な回答を引き出す
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.Request(依頼):具体的な依頼内容を伝える
AIに何をしてもらいたいかを具体的に指示する部分です。
曖昧な表現は避け、明確なタスクや質問を記述しましょう。
例
- 良くない例: 「何か面白い話をして」
- 良い例: 「日本の昔話で、意外な結末を迎える物語を一つ教えてください。」
2.Role(役割):AIがどのような役割を果たすかを明確にする
AIがどのような役割を担うのかを最初に定義します。
これにより、AIが適切な視点で応答が可能となります。
例
- 良くない例: 「第二次世界大戦について教えて」
- 良い例: 「あなたは歴史の専門家として、第二次世界大戦について説明してください。」
3.Regulation(形式):出力の形式や長さなどを指定する
出力の形式、長さ、スタイルなどを指定します。
これにより、希望する形式で情報を得ることができます。
例
敬語で出力してほしい時
- 良くない例: 「説明して」
- 良い例: 「敬語を使って説明してください。」
4.Rule (ルール):従うべきルールを設定する
AIが回答を生成するにあたって従うべき特定のルールや基準を設定します。
それにより、より正確で、特定の条件に合致した回答を得ることができます。
例
- 「過激な表現は使用しないでください。」
- 「参考文献を必ず明記してください。」
5.Review & Refine (評価・改善) :AIが出力した結果を評価し、改善を図る
AIの出力を評価し、どのように改善できるかを指示します。
これにより、より精度の高い、ニーズに合ったアウトプットが可能となります。
例
出力された説明が分かりにくかった時
- 良くない例: 「この説明をもう少し分かりやすく説明してください」
- 良い例: 「この説明を中学生でも分かるように説明してください。」
6.Reference(参照知識・例):AIが参考にすべき参照情報を提供する
AIがより正確な回答を提供できるように、参照すべき情報やデータを提供します。
特定のデータや文献に基づいた回答を得たい場合に有効です。
例
- 202〇年の統計データを使用してください。
- ~の学術論文を引用してください。
7.Run Scenario(シナリオ):実行すべき具体的なシナリオを提供し、より実践的な回答を引き出す
具体的な状況やシナリオを設定することで、実践的かつ現実的な回答を得ることができます。
これにより、特定の状況下でのAIの反応をより正確にシミュレートすることが可能になります。
例
- お客様がアレルギーがある食材を心配しており、安全に食事を楽しむための情報を求めていることを想定して回答してください。
- 顧客が配送遅延に関して不満を持っています。迅速な対応が求められていることを想定して回答してください。
以上の7つのR で構成されたプロンプトを使用することにより、より精度の高い回答を得ることができます。
ですが、必ずしも1回で、より適当な回答が得られるわけではありません。
回答を得たら、その結果を評価し、必要に応じて各要素を調整して、プロンプトを改善していくことが重要です。
野口式7Rプロンプトのメリットとデメリット
野口式7Rプロンプトのメリットとデメリットは以下の通りです。
明確な指示で精度の高い回答が得られる
野口式7Rプロンプトを使用することで、AIに対して明確で具体的な指示を出せるため、求める情報や反応の精度が高まります。
これにより、ユーザーの意図に沿った回答を得やすくなります。
多様なシナリオでのテストが可能
様々な状況やシナリオを設定することで、異なるシチュエーションに対するAIの反応をシミュレートできます。
これにより、実際の応用場面を想定した有用な回答が得られる可能性が高くなります。
フィードバックを通じた改善が容易
プロンプトの各要素において、レビューや改善が明示されているため、AIの出力を評価し、必要に応じて修正を加えることで、より良い成果を得られます。
プロンプト作成に時間がかかる
野口式7Rプロンプトを効果的に活用するには、各要素を慎重に設定する必要があります。
これには時間と労力がかかる場合があり、特に複雑なシナリオを設定する際に負担になることがあります。
過度な詳細設定が逆効果になることがある
設定を細かくしすぎると、AIがその内容に縛られすぎて、柔軟性を欠いた回答になる可能性があります。
過度に詳細な条件が、かえって不適切な出力を引き起こすこともあります。
特定の状況に対する柔軟性が低い
事前に設定したシナリオに基づくため、予期しない状況や突発的な変更に対しては適切に対応できない場合があります。
これにより、特異なシチュエーションには対応が難しくなることがあります。
以上のメリットとデメリットを理解した上で、野口式7Rプロンプトを取り入れるようにしましょう。
野口式7Rプロンプトの活用のコツ
野口式7Rプロンプトの活用のコツは以下の5つです。
1.目的に応じたプロンプトの明確化
プロンプトを設定する際には、自分が何を得たいのかを明確にすることが重要です。
目的に合わせて、RoleやRequestの要素を具体的に定義し、求めるアウトプットを明示することで、効果的な結果を引き出せます。
2.適度な詳細度の設定
詳細に設定しすぎると逆効果になる場合もあるため、シナリオやルールは必要な範囲で具体的にし、過剰な制約を避けるようにします。
適度な詳細度で、AIが柔軟に対応できるようにしましょう。
3.反復的な改善
野口式7Rプロンプトを使って得られた結果は、まず評価し、必要に応じてフィードバックを行います。
改善を重ねることで、プロンプトの精度を高め、より理想的な回答を得ることができます。
4.フィードバックを活用する
出力結果をレビューし、どの部分がうまく機能しているか、どこに改善の余地があるかを見極めることが大切です。
フィードバックを基にプロンプトを調整することで、より高品質なアウトプットを得られます。
5.シナリオの多様性を持たせる
様々なシナリオを試すことで、AIの反応を幅広く確認し、どのような状況で最も効果的な回答が得られるかを把握します。
これにより、より実践的な活用が可能になります。
この5つのコツを意識することにより、野口式7Rプロンプトを上手に活用することができるでしょう。
まとめ
野口式7Rプロンプトを活用することで、より具体的で効果的なプロンプトを作成し、AIの能力を最大限に引き出すことができます。
これにより、AIをビジネスのパートナーとして活用し、さらなる成功を目指すことができるでしょう。
ですが、ChatGPTに慣れていない方の中にはプロンプトを作成することに難しさを感じる人もいるかもしれません。
そのような場合は、とりあえずChatGPTに慣れることを目標にChatGPTを使ってみて下さい。
使っていくうちにより高い精度を出したいと思うようになるはずです。
そう思うようになったらぜひ今回お伝えしたプロンプト作成技術を役立ててみて下さいね。