OpenAIの「ChatGPT」はその高度な自然言語処理能力から、APIを介してチャットボットに活用されています。

例えば、カスタマーサポートや社内ヘルプデスクなど、さまざまなサービスでチャットボットが活用されるようになりました。

ChatGPTを使えば、専門知識がなくても、誰でも簡単に、自然な会話ができる高性能チャットボットを作ることができるんです。

今回の記事では、プログラミング初心者でも簡単に「ChatGPT」を活用したチャットボットを作成・公開できる方法を解説します。

また、高度な機能の実装やメリットについても触れていますよ。

プログラミング初心者の読者さんのスキルアップをサポートしますので、ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。

ChatGPTを使ったチャットボットの作成方法

それでは早速、ChatGPTを利用してチャットボットを作成するための基本的な流れをご紹介していきます。

チャットボット作成し、運用するためには、大きく以下の3つの手順があります。

チャットボット作成・運用までの手順
  1. APIキーを取得する
  2. チャットボットを作成
  3. 公開とデプロイ

ひとつずつ順番に確認していきましょう。

1.APIキーを取得する

実際にチャットボットを作成する前に、ChatGPT APIキーを取得しておきましょう。

ChatGPTのAPIを使用するには、まずOpenAIの公式ウェブサイトでアカウントを作成する必要があります。

手順は以下の通りです。

ChatGPT(APIアカウント)の作成

1
OpenAIのウェブサイトにアクセス

OpenAIの公式サイトにアクセスします。

2
サインアップ

「Sign Up」をクリックしてアカウントを作成します。メールアドレスやGoogleアカウントで登録できます。

3
APIキーの発行

アカウント作成後、ダッシュボードにアクセスし、「API keys」から新しいAPIキーを発行します。

※APIキーは大切に管理し、絶対に第三者へ公開しないよう注意が必要です。

APIキーの取得と設定

APIキーは、ChatGPT APIと通信するために必要な認証情報です。

発行されたAPIキーを保存し、後ほどチャットボット作成時に使用します。

APIキーの確認

発行されたAPIキーは一度しか表示されないため、必ずコピーして安全な場所に保存しておきましょう。

環境変数の設定

APIキーはコード内にハードコードせず、環境変数として設定することが推奨されます。これはセキュリティを高めるためです。

例: export OPENAI_API_KEY="your_api_key_here"

2.チャットボットを作成

ここからは、具体的にチャットボットを作成する手順を解説していきます。

今回は「Python」を使用し「今日の天気はなに?」という質問に対するチャットボットを例として作成します。

以下の手順で進めます。

チャットボット作成手順

1.Pythonのインストール

Screenshot

もしまだインストールされていない場合は、Python公式サイトからインストールしてください。

2.必要なライブラリのインストール

コマンドラインで以下のコマンドを実行し、必要なライブラリをインストールします。

pip install openai

3.基本的なコードの作成

以下のPythonコードを使用して、ChatGPTを呼び出すシンプルなチャットボットを作成します。

import openai
import os

openai.api_key = os.getenv("OPENAI_API_KEY")

response = openai.ChatCompletion.create(
    model="gpt-3.5-turbo",
    messages=[
        {"role": "system", "content": "You are a helpful assistant."},
        {"role": "user", "content": "こんにちは、今日の天気はどうですか?"}
    ]
)

print(response['choices'][0]['message']['content'])

このコードを実行すると、ChatGPTがユーザーの質問に応答します。

3.公開とデプロイ

チャットボットを作成したら、次はそれを「公開」と「デプロイ」する必要があります。

この2つのステップは、作成したチャットボットを他の人が利用できるようにするために不可欠です。

ここでは、「公開」と「デプロイ」の基本的な知識と、それぞれのステップについて解説します。

公開とは?

「公開」とは、作成したチャットボットをインターネット上で利用可能にすることです。

公開することで、特定のウェブサイトやアプリケーションからアクセスできるようになります。

公開されたチャットボットは、ユーザーが簡単に使えるようになります。

デプロイとは?

「デプロイ」とは、作成したコード(プログラム)を実際に動かすために、サーバーやクラウドサービスに配置することを指します。

これにより、コードが動き出し、実際のユーザーからのリクエストに応答する準備が整います。

公開とデプロイの具体的なステップ

ウェブサーバーの設定

まず、チャットボットをウェブサーバーとして設定します。

これにより、チャットボットがインターネット経由でアクセス可能になります。

Pythonの場合、Flaskという軽量なウェブフレームワークを使うのが一般的です。

Flaskを使って簡単なサーバーを立ち上げ、そこにチャットボットの機能を組み込むことができます。

from flask import Flask, request, jsonify
import openai
import os

app = Flask(__name__)
openai.api_key = os.getenv("OPENAI_API_KEY")

@app.route('/chatbot', methods=['POST'])
def chatbot():
    user_input = request.json.get('message')
    response = openai.ChatCompletion.create(
        model="gpt-3.5-turbo",
        messages=[{"role": "user", "content": user_input}]
    )
    return jsonify(response['choices'][0]['message']['content'])

if __name__ == '__main__':
    app.run(port=5000)

このコードを使用すると、ユーザーがチャットボットにメッセージを送信すると、それに応じた返答が返ってきます。

クラウドサービスの利用

次に、作成したウェブサーバーをクラウドサービスにデプロイします。

これにより、チャットボットが24時間365日動作し続けるようになります。

Herokuのようなクラウドサービスは、デプロイを非常に簡単にしてくれるツールを提供しています。

Gitというツールを使ってコードをHerokuに送るだけで、すぐにチャットボットを公開することができます。

Herokuへのデプロイの簡単な流れ
  • Herokuアカウントを作成し、Heroku CLI(コマンドラインインターフェース)をインストールします。
  • ローカル環境でHeroku CLIを使ってログインし、heroku createコマンドで新しいアプリケーションを作成します。
  • git push heroku mainというコマンドで、自分のコードをHerokuに送信します。これで、チャットボットがデプロイされ、インターネット上で利用可能になります。

以上で、チャットボットの公開とデプロイについての基本的な知識と実際の手順を学びました。

初めての方でも簡単に実施できるように、できるだけシンプルに解説しています。

これらのステップを実行して、自分のチャットボットを公開してみましょう。

ChatGPTでチャットボットを作成する際の応用設定

ChatGPTを使ったチャットボットには、基本的な会話以外にもさまざまな応用設定があります。

以下のような設定を加えることで、より安心で使い勝手の良いチャットボットの運用が可能ですよ。

会話のパーソナライズ

ユーザーのプロファイルや過去の会話履歴に基づいて、よりパーソナライズされた応答を生成できます。

マルチターン会話

複数のターンにわたる会話を管理することで、より自然なインタラクションが可能です。

オプトアウト設定

ユーザーのプライバシー保護のため、チャットボットにはオプトアウト機能を実装することが推奨されます。

これにより、ユーザーが自分のデータを保存されないよう選択することができます。

if user_wants_to_opt_out:
    # ユーザーのデータを保存しない処理

ChatGPT(OpenAI) APIで利用可能なモデルと料金

OpenAIのAPIは、利用するトークン数に応じた従量課金制となっています。

トークン当たりのコストはChatGPTのモデルによって異なり、また、それぞれのモデルには特徴があり、使用目的に応じて選択できます。

以下にモデル別の料金と特徴をまとめました。

特徴料金(100万トークンあたり)
GPT-4最も強力で、人間のような自然な対話を生成するのに優れています。入力トークン 30ドル/出力トークン 60ドル
GPT-4o最も強力で、人間のような自然な対話を生成するのに優れています。入力トークン 5ドル/出力トークン 15ドル
GPT-3.5-turboGPT-4ほどの性能はありませんが、コストパフォーマンスに優れています。入力トークン 0.5ドル/出力トークン 1.5ドル
DALL・E画像生成に特化したモデルで、テキストから画像を生成します。使用するタスクに応じた料金設定となっています。

ChatGPTを使ったチャットボットは以下の3つのメリットがあります。

ChatGPTを使ったチャットボットのメリット
  1. APIだけですぐに始められる
  2. 応答精度が高い
  3. 特定の分野に特化したチャットボットが作成可能

APIだけですぐに始められる

普通のチャットシステムを作るには、特別な知識や複雑なプログラミングが必要で、時間がかかることがあります。

しかし、ChatGPTを使えば、専門的な知識がなくても、すぐにチャットボットを使い始めることができます。

さらに、APIを使うことで、新しい機能を簡単に追加できたり、変更したりできるので、システムをすばやく成長させることもできます。

応答精度が高い

昔のチャットボットは、決まったルールに従って答えるだけだったので、複雑な質問や新しい質問にうまく答えられないことがありました。

しかしChatGPTは、高度な自然言語処理能力に長けているため、質問に対して正確に、そして早く答えることができます。

これにより、ユーザーのニーズにより適切に対応できるようになっています。

特定の分野に特化したチャットボットが作成可能

普通のチャットボットは、色々なトピックに対応しなければならないため、特定の分野に特化したサポートをするのが難しいことがあります。

ChatGPTは事前に専門的な情報を教えることで、特定の分野に強いチャットボットを作ることが可能。

その結果、顧客に対してより効率的に情報を伝えることができるようになります。

【初心者必見】ChatGPTチャットボット作成術をシンプル解説:まとめ

本記事では、ChatGPTを活用したチャットボットの作成方法を初心者向けに解説しました。

APIのセットアップから基本的なボットの作成、さらに高度な設定やメリットについても紹介しました。

ChatGPTを使ったチャットボットであれば、初心者でもすぐに低コストで作成することが可能です。

実際にチャットボットを導入すれば、特にマニュアル作業での対応コストが大幅な効率化が叶うはず。

ぜひ今回の解説を参考にして、あなた自身のチャットボットを作成してみてくださいね。