2024年10月4日未明（日本時間）、OpenAIからChatGPTの新しい機能「キャンバス（canvas）」が発表されました。

この新しい機能の登場により、私たちが文章作成やコーディングを行う際に、ChatGPTをより効果的に活用することが可能になります。この記事では、キャンバスの概要と、どのように日々の仕事が改善されるのかについて詳しく見ていきましょう。

Canvasとは何か？

Canvasは、これまでの単なるチャット形式とは異なり、文章やコードを一緒に作成・編集することができる新しいインターフェースです。例えば、文書を共同編集するように、あなたとChatGPTが同じ画面で並んで作業する感覚でプロジェクトを進められるのが特徴です。

実際にこの記事を作るにあたっても試してみたところ、以下のように出力されました。

生成された内容が本文から切り離されて右側に表示されています。たった２行の指示でこれだけのドラフトが出来上がるのは相変わらず凄いですが、ここからが今回の新機能の話になります。

まず画面ですが、Claude.ai に実装された Artifacts と似ていますね。Claude側はこんな見た目になります。

しかし、今回の Canvas はこの右側に出てくる部分に強力な機能が実装されていました。

Canvasの機能

まだまだ出たばかりなので、少し触ってわかった部分をお伝えします。

前述の通り、ChatGPT の Canvas と Claude の Artifacts は見た目が似ていますが、この２つの最大の違いは Canvas がユーザーによって編集可能という点です。

例えば画面を範囲指定するとこのようなアイコンが表示されます。

これらを使って生成された文章に太字や斜体といった装飾を加えたり、サブタイトルを追加することも可能です。

また、この画面自体がエディタになっているため、自分で文章を書き加えることも可能です。

また、Canvas の画面では吹き出しのようなアイコンが表示されます。

このアイコンをクリックすると小さな入力欄が表示され、指示を書くことができます。

他の部分には手を加えず、指定部分だけが書き換わりました。

この機能はアイコンクリックだけでなく、文章を範囲指定して行うこともできます。

従来は ChatGPT が生成した内容をコピーして編集を行っていましたが、Canvas は ChatGPT 上で編集ができるため、常に最新の文章を自分とChatGPTが共有できるようになります。

これはまるで、ChatGPT というサポートライターが常に隣で支援してくれているかのような状態です。

プログラミング体験が劇的に変化

プログラミングの世界には２人でひとつのプログラムを作る「ペアプログラミング」という概念があります。

常に同じ画面を見ながらコーディングを行うことで、間違いを見つけたりお互いのアイデアを活かしあってより高品質なプログラムを作る手法です。

ChatGPT の Canvas 機能は、まさにこのペアプログラミングを人とAIが対になって行うことができる機能です。

例えばドラフトのコードを生成させます。

ここにコードの修正指示をすることで

書き換えてくれました。

AIを活用してコーディングしている人はわかると思いますが、多くの場合AIが生成したコードにエンジニアが手を加えることになります。

そして、手を入れた後のコードにAIの支援が欲しい場合、最新状態のコードをAIにフィードバックする必要があり非常に手間でした。

Canvas機能はこうした手間を一気に解消し、AIプログラミングを劇的に変化させる機能になるでしょう。

キャンバスがもたらす日常業務の変化

キャンバスが皆さんの日常にどのような良い影響を与えるかを考えてみましょう。

1. 書類作成とレビューが効率的に

日常業務での報告書や提案書作成は、多くの時間を要する作業です。キャンバスを使えば、文書をリアルタイムで見直しながら編集できるため、手戻りが減り、完成度の高い成果物を効率よく作成できます。例えば、顧客へのプレゼン資料を準備する際、内容をハイライトしてChatGPTに確認・修正を求め、わずか数クリックで内容をブラッシュアップすることが可能です。

2. コードレビューがスムーズに

エンジニアにとってコードのレビューや修正は重要なプロセスですが、これも手間がかかる作業です。キャンバスでは、コードに対して直接的なコメントや修正提案を受け取ることができ、必要に応じてログの追加やバグ修正も手伝ってくれます。これにより、エンジニア同士のレビュー時間を短縮や、例に示したAIとのペアプログラミングにより、生産性を向上させることができます。

3. 文章のトーンやレベル調整が容易に

社内外でのコミュニケーションで、文章のトーンを変える必要があることは多いでしょう。キャンバスでは、読み手に合わせて文章の読みやすさや長さを調整できます。例えば、社内向けにカジュアルにする一方で、社外向けにはフォーマルに書き直すなど、目的に応じた適切な文章作成が手軽にできます。

まとめ

Canvasの導入により、これまでのように一度に大量の編集や修正を行うことなく、細かな部分から効率的に日々の仕事を進めることが可能になります。

チーム全体での協力がしやすくなり、AIを使ったプロジェクト管理がより現実的になります。特に、文章やコードの質の向上、編集履歴の管理の改善、効率的なレビューなどにおいて、その効果が期待されます。

Canvasで生まれ変わったこの新しいChatGPTをあなたの仕事のパートナーとして、文書の改善、コードの修正、そして効率的なプロジェクト進行を実現してきましょう。