「Dify AI」はAIアプリケーション開発をサポートするためのプラットフォーム。

Dify AIは、AI開発に必要な機能を一括提供することで、開発者や企業が効率的にプロジェクトを推進できる利便性が特徴です。

AI技術が日々進化し、ビジネスや開発現場では「次に何を取り入れるべきか?」と思案するなかで、他にはない独自の機能で注目を集めています。

「Dify AIってなにができるの?」

「Dify AIの導入方法や利用料金などについて詳しく知りたい」

今回は、Difyの導入に興味がある方に向けて、

  • Difyの特徴
  • 商標利用について
  • 料金プラン
  • Web・ローカル2通りの導入方法

を網羅的に解説していきます。

また、実際にDifyで簡単なアプリケーションを作成した実例も紹介します。

この記事を読めば、Dify AIがどのように最適な解決策となるのかが丸わかりですよ。

Dify(自動生成AIツール)ってなに?

Difyには初心者からプロまで扱いやすい、独自の機能があります。

また、手軽ながらも、Difyだけで幅広いアプリケーションの開発が可能です。

まずは、そんなDifyの6つの特徴や、作成できるアプリについて詳しくみていきましょう。

自動生成AIツール「Dify(デファイ)」とは?

Difyは生成AIアプリを開発できるオープンソースプラットフォーム。

ノーコード/ローコードのため、プログラミングの専門知識がないユーザーでも、AIアプリケーションを手軽に作成・運用できます。

Difyの6つの特徴

そんなDifyの主な特徴は以下の6つです。

特徴
  1. ノーコードでアプリ構築&直感的なユーザーインターフェース
  2. オープンソースのLLMアプリ開発ツール
  3. 豊富なテンプレート
  4. 多様な外部サービスの連携
  5. RAGエンジンを活用したナレッジ機能
  6. 詳細なログ管理

1.ノーコードでアプリ構築&直感的なユーザーインターフェース

Difyの一番の特徴と言えるのが、ノーコードでアプリ開発ができるということ。

これにより、プログラミングの知識がなくても誰でも簡単にアプリ開発ができてしまうんです。

Difyではコードを使う代わりに、視覚的にブロックを繋げるように、アプリを構築していきます。

直感的なユーザーインターフェースで、ドラッグ&ドロップ操作するだけなので、早ければ10分程度でAIアプリが完成しますよ。

2.オープンソースのLLMアプリ開発ツール

Difyはオープンソースとして公開されているため、ニーズに合わせて独自のカスタマイズができます。

さらに、ChatGPT、GoogleGemini、Claude、AzureOpenAIほか多様なLLMモデル(AIモデル)を組み合わせできるので、柔軟なアプリ開発が可能。

例えば、1つのAIアプリ内で処理に合わせて適したLLMモデルで対応させることができます。

3.豊富なテンプレート

Difyでは、豊富なテンプレートが用意されています。

テンプレートの例として、

  • チャットボット
  • タスクリスト
  • カレンダー

などがあり、これらをカスタマイズすれば、短期間でアプリを構築することが可能です。

テンプレートを使えば、ゼロベースからの開発が不要なので、手間や時間が大幅にカットできます。

4.多様な外部サービスの連携

Difyは、Google検索、Slack、Dell-E、Stable Diffusionなどの外部ツールが組み込めます。

外部ツールと連携することで、さらに高度で便利なアプリケーションを作成できます。

5.RAGエンジンを活用したナレッジ機能

Difyには、RAG(検索拡張生成)※エンジンが搭載されています。

一般的なツールでは、RAGの実装には専門的な知識が必要ですが、Difyはデフォルトで装備しています。

RAGエンジンとは

欲しい情報を検索して抽出し、その内容をもとに生成AIに回答を生成させる技術です。

(引用:住友電工情報システム)

例えば、社内ドキュメントやウェブサイトをナレッジ登録しておけば、独自のデータをもとに解凍するチャットボットが作成できます。

6.詳細なログ管理

Difyで作ったアプリは、詳細なログ管理ができるようになっています。

アプリを他の人と簡単に共有できるうえ、専用のダッシュボードで利用状況も確認できます。

このダッシュボードでは、

  • アプリのユーザー数
  • やりとりの回数
  • AIが使ったトークン量

などのデータが見られます。

これにより、アプリのパフォーマンスをチェックし、改善点を見つけやすくなります。

日常的に検証を行うデザイナーにとっては、便利な機能ですよね。

Difyで作成できるもの

Difyを使って作成できるアプリは、以下のようなものがあります。

▼作成できるアプリ(例)

カスタムチャットボット顧客サポートボット:顧客の質問に自動応答し、サポート業務を効率化するAIチャットボット。
FAQボット:企業や製品に関するよくある質問に自動的に回答するアプリ。
テキスト生成アプリライティングアシスタント:ブログ記事、報告書、マーケティングコンテンツの作成をサポートする自動文章生成アプリ。
ニュースレター生成アプリ:定期的にニュースレターを作成し、自動配信するアプリ。
自動化アプリメール返信自動化:メールの内容を解析し、適切な返信を自動生成するアプリ。
スケジュール管理ボット:カレンダーと連携して、予定を自動調整・通知するアプリ。
リコメンドシステムパーソナライズド商品推薦エンジン:ユーザーの好みに基づいて、オンラインショップでの商品を推薦するシステム。
コンテンツ推薦アプリ:ユーザーの視聴履歴に基づいて動画や記事を推薦するアプリ。

これらはDifyで作れるアプリケーションの一部ですが、アイデア次第でさまざまな分野やニーズに対応したAIアプリを作成できます。

【Dify】商用利用はできる?

Difyの商用利用が可能になるのは、以下のようなケースです。

▼商用利用が可能なケース

個人で利用する個人が収益を得る目的でDifyを使用する場合
小規模なビジネス組織年間収益が100万ドル未満の企業や組織が利用する場合
非営利組織教育機関や慈善団体など、非営利目的の場合
企業内部での利用企業内での業務効率化ツールとして利用する場合(会社の規模に関わらず可能)

このような場合が当てはまり、特別な許可はいりません。

ただし、Difyのロゴや著作権情報を適切に表示する必要があります。

また、Difyの商用利用のためには「ラインセンス」の取得が必要な場合と、そうでない場合があります。

▼ライセンス取得が必要なケース

大規模なビジネス組織年間収益が100万ドル以上の大企業や組織が利用する場合
マルチテナントSaaSサービス(※)として提供するDifyを使って開発したAIシステムをSaaSとして複数の企業に提供する場合
ホワイトラベル製品Difyを使って開発したAIアプリを自社製品として販売したり、他社に自社サービスとして提供する場合
ロゴや著作権情報の削除・変更ロゴや著作権情報を削除したり、変更したりする場合

ライセンスを取得する必要があるときは、Dify公式へ問い合わせ(hello@dify.ai)を行います。

ちなみに、ライセンス料は利用規模や用途によって異なるため、個別相談になることが一般的なようです。

商用利用する際は、必ず「Difyオープンソースライセンス」を目を通しておきましょう!利用する状況によって適用が異なる場合や、内容がこまめに更新されることもあり、一度確認しておく方が安心ですよ。

Difyの料金プラン

Difyの料金プランは手軽な無料プランから、本格的な開発に対応できる有料プランまで幅広い選択肢があります。

支払い方法は月額払いと年額払いの2つ。

年額払いで契約する場合は、2ヶ月分の割引があってお得ですよ。

Difyを始めよう!2通りの利用方法を紹介

ここからは、実際にDifyを始める手順をご紹介していきます。

Difyを使うには、

  • Webブラウザで利用する方法
  • ローカルで利用する方法

の2パターンがあります。

Webブラウザで利用する場合は、アカウント登録すればすぐにアプリ作成が開始できるメリットが。ローカルで利用する場合は、自分のサーバー内に留まるためプライバシー保護などのメリットがあります。

それぞれ用途に合わせて利用方法を選びましょう。

Webブラウザで利用する方法

1.Dify公式サイトにアクセスし「はじめる」ボタンをクリック

2.Googleアカウント、Githubいずれかでアカウント登録をする

3.ホーム画面を開く。「アプリを作成する」のメニューに表示されている「最初から作成する」・「テンプレートから作成」のうち、好きな方を選択し、プロジェクトを開始する。

ローカルで利用する方法

Difyをローカルで利用するには、事前に「Docker」と「Docker Compose」をインストールしておきましょう。

1.Dockerを起動する

インストールしたDockerを起動し、フォルダ「Dify」の中にあるフォルダ「Docker」に移動します。

※この作業は少し時間がかかるので、ご注意ください。

cd dify/docker

docker compose up -d

2.Difyを起動する

「http://localhost/install」にアクセスして、Difyを起動しましょう。

Difyが起動したら、アカウントを作成します。

これで初期設定が完了です。

【DifyでAI作成】「チャットボット」作成方法

「本当に手軽にアプリ作成ができるの?」

プログラミング初心者の私が、実際にDifyでアプリ作成にチャレンジしてみました。

今回は簡単なチャットボットを作成していきます。

作成方法

1.Difyのトップ画面の「アプリを作成」の「最初から作成」をクリック

2.どのタイプのアプリを作成しますか?の項目で「チャットボット」を選択し、チャットボットのオーケストレーション方法は「基本」を選択

3.アプリのアイコンと名前、説明を入力し「作成」をクリック

4.オーケストレーションの「手順」にAIに行ってほしいことを入力し、「公開」をクリック

5.「アプリを実行」を選択すると、作ったチャットを試すことができます

【初心者も安心】Dify AIってなに?特徴と導入方法を徹底解説:まとめ

Dify AIは、これからAIを活用したアプリケーションやサービスを開発していきたい方にぴったりのツールと言えます。

すべての機能が1つにまとまっているので、複雑なシステムの構築や維持にかかる手間を大幅に減らし、効率的にAIプロジェクトを進められます。

特に。Dify独自のLLM(大規模言語モデル)やRAG(検索拡張生成)機能は、AI活用の幅がさらに広がります。

また、Webでの利用とローカル環境での利用の両方に対応しているため、データの安全性を重視したい方も、柔軟に開発環境を選べるのも魅力。

AI開発の効率化やプロジェクトの成長を目指す方は、ぜひ今回の内容を参考にDify導入を検討してみてくださいね。