2024年5月14日、日本時間の午前2時、Open AI から新しい発表がありました。
それは、ChatGPTに搭載されたAIモデル(ChatGPTの中で動いている人工知能の仕組み)が大幅にアップデートされたことを示すことでした。
いま、その内容がとても衝撃的であると、AIを知る人達の間で大きな話題になっています。
先に大事なことをいいます。
この新しいモデル、無料ユーザーでも利用可能になります。
今回の発表の最大の注目点のひとつは、有料ユーザーだけでなく、無料ユーザーにとっても大きな恩恵があることでした。
※ 公式サイトの発表を日本語化したスクショ
このような発表があると、多くの発信者が情報を記事化します。
しかし、そうした記事を最初に読むのは「AIに詳しい人」です。
これまでAIを追いかけ続けてきた人が、今度はどんなところが変わったのかを見に来ます。
なので、最初に出てくる情報はどうしても『基本的なことは知ってる前提』で書かれます。
そこで、今回はあえてChatGPTを使ったことがない人。使いこなせている自信がない人。
そうしたChatGPT初心者に向けて、具体的にいまのChatGPTで何ができるようになったのかを語っていきたいと思います。
是非最後までお付き合いください!
無料ユーザーへの提供機能拡大
冒頭にもお伝えした通り、無料ユーザーにとって今回の発表は大きな変化です。
なぜなら、今回発表された新機能も含めて、いままで有料ユーザーしか使えなかった機能が一気に使えるようになるからです。
では、無料ユーザーにとって何ができるようになるのか。
まずは既存機能を対象に見ていきましょう。
すでに有料機能を使っているという方は、次の章までスキップしてくださいね!
GPT-4が選べる
単純にGPT-4が選べるようになります。
GPT-3.5に比べて精度が大幅に上がるほか、学習している情報も2023年12月までと、GPT-3.5の学習範囲(2022年1月まで)と比べて1年以上新しい情報を知っていることになります。
※ 現時点ではGPT-4が選べずGPT-4oも存在しないが、近くここに選択肢が増える
WEBから情報を取ってこれる
GPT-4は学習前の最新情報を聞かれた場合、WEBで検索し、検索結果に基づいて回答してくれるため、実質学習期間よりあとの情報についても聞くことができます。
そのほか、URLを指定して内容を要約してもらうなど、ニュースや最新情報を得る際の時短にも繋がりとても便利です。
データ分析ができる
ExcelやCSVのデータをアップロードして分析をさせることができます。
なにかデータから法則性や傾向を見つける仕事をしている人にとって、この機能は生産性と品質アップに直結します。SNSのアナリティクス分析にも使えますね。
写真や画像を読み取れる
例えばパソコンで意味不明のエラーがでたとき、画像を添付して問い合わせることができます。
OpenAIのサイトでは当時、自転車の画像を添付して、サドルを上げたいのだけどどこを操作すれば良いかといったデモを行っていました。
冷蔵庫の写真からメニューを考えてもらうこともできますね。
GPTsを使える
GPTsとは、目的に特化したChatGPTのことです。
AIに指示したい内容が複雑で専門的なほど、指示の難易度も上がってきます。
そんなとき、その難しい指示があらかじめ組み込まれ、ユーザーはカンタンな指示だけでAIに仕事をさせることができる機能が「GPTs」です。
現在、世界中の人が様々なGPTsを公開しています。
これらは有料ユーザーだけが使えましたが、これからは無料ユーザーにも提供されます。
※ 一部わかりやすさのため英語部分を日本語に翻訳しています
このように、これまで有料ユーザーしか使えなかった多くの機能が、これから無料ユーザーに順次展開されていきます。 無料ユーザーにとって、今回の発表の最大の注目点はここかもしれません。
ちなみに、GPT-4の人気機能のひとつに画像生成がありますが、残念ながらこれは有料ユーザーだけの機能になってます。
まるで人間と通話するように会話できる
これまでのChatGPT(スマホアプリ版)も、直接声で「会話」をすることはできました。
しかし、話しかけてから回答が返されるまで5~6秒、内容によっては10秒以上かかることもあり、正直使い物にならないレベルでした。
ところが、今回このスピードが劇的に変化しています。
新しいChatGPT(GPT-4o)は50ヵ国語に対応しているので、ChatGPTさえあれば世界中のほとんどの国でコミュニケーションを取ることができます。
また、それでなくても文字を入力するというのは手間なものです。
これからは、ちょっとした質問はすべて声で聞けるというのが今回の最大の利点です。
写真からイラストを作れる
画像生成はもとからあった機能ですが、これが大幅に強化されています。
(※ 画像生成は有料ユーザー向けの機能です)
OpenAIのサイトでは、以下のデモ画像が掲載されていました。
めちゃくちゃ特徴を捉えてイラスト化できています。
私もフリー素材の女性でやってみると・・・
うーん、日本語だからかよりマンガチックになってしまう。
このあたりは調整の余地がありそうですが、SNSのアイコンやヘッダーになら十分使えるレベルじゃないでしょうか。
めっちゃくちゃ早い
GPT-4は非常に優秀である一方で、回答速度は非常に遅いという難点がありました。
しかし、今回のGPT-4oではその速度問題が圧倒的に改善されました。
GPT-4 :47秒、GPT-4o:17秒
およそ2.8倍の回答速度になっています。
AIを使って生産性を上げようとしたとき、この問い合わせにかかる時間はかなりストレスです。そのため、高機能であっても回答が遅いGPT-4を避け、GPT-3.5を使う人もいるほどでした。
しかし、これからは従来のGPT-4以上の回答を、GPT3.5並みのスピードで得ることができます。AIに期待する出力をしてもらうには、通常なんどもやり取りしながらブラッシュアップします。
なので、このスピード差は単純な見た目以上に大きな効果があります。
PC内に常駐していつでも質問できるアプリへ
パソコン内に常駐し、簡単なキーボード操作で起動できるチャットアプリが今後提供されます。
以下のような入力欄が出現し、質問を入れると回答が得られます。
なんと、このアプリはユーザーが操作することでパソコンの画面を認識できます。
そのため、「ZOOMで画面を共有しながら有識者に質問する」といったことが簡単にできるようになります。
例えば、プログラミングを学んでいる人にとってこの機能の効果は絶大です。
実際に作成中のプログラムをGPTに見せながら、間違いやよりよいコーディングを指導してもらえたら、学習効率は何倍にもなるはずです。これからのマンツーマン指導ですね。
最初はMacに展開し、年内にWindowsに向けても提供するとのことです。私はWindowsユーザーなので、提供が待ち遠しいです
システム向けの機能提供(API)が半額に
ChatGPTを使うのではなく、別のシステムが裏でChatGPTを呼ぶ仕組みをAPIといいます。この利用料金が半額になります。これだけ高機能になったのに、何故か安くなる。
とはいえ、これはChatGPTを利用する人にとっては関係のないことです。
ただ、AIを活用した新たな魅力的なサービスが開発されたり、それらが安く提供される可能性があるので、APIを使わない人にとっても間接的なメリットになるでしょう。
いよいよ学ぶしかなくなってきた
今日説明しただけでも、相当なメリットが得られるChatGPTですが、まだまだ説明しきれない活用方法やメリットはたくさんあります。
そして、ChatGPTを使う上で必要なプロンプト(指示文)のコツがつかめると、より自分が期待した動きをしてくれるようになり、ビジネスの効率も人生のQoLさえも爆上がり間違いなしです。
これからの時代、ChatGPTを使えるかどうかが人の市場価値を大きく左右します。
子育て世代の人は、こどもにそうした機会や学びを与えられるかで、お子さんの未来が大きく変わるかもしれません。
いまやAIが当たり前の時代。もう、学ぶ以外に選択肢はないんです。