はじめに

インターネットの普及により私たちは知らない事をその場ですぐに調べる事ができるようになりました。

その際に利用するのが、Googleに代表される「検索エンジン」です。

キーワードを入力するだけで、知りたい内容が記載されたサイトにアクセスする事ができるその手軽さは、日常生活において必須といっても過言でありません。

StatCounterによると、世界における検索エンジンのシェアはGoogleが92.90%、bingが3.03%、Yahoo!が1.21%であり、Googleが圧倒的シェアです。

日本においては、Googleが77.20%、Yahoo!が14.76%、bingが7.18%と、世界と同様の状況です。
(参考:https://gs.statcounter.com/search-engine-market-share)

何かを調べたいとき、検索エンジンにキーワードを入力すれば、たいていの場合見たい情報や知りたい情報にすぐにたどり着けることができます。

しかし、入力したキーワードが適切ではない場合は、知りたい情報にたどり着けない事があります。

そのため、より短時間で検索し、必要な情報にアクセスするする事ができることは「検索スキル」と呼ばれ、重要なスキルの一つとして扱われています。

次世代の検索エンジンPerplexity AIの特徴

ChatGPTの誕生を契機として、生成系AIと呼ばれる技術、サービスが驚異的な速度で普及してきています。

現代のビジネス環境において、AI技術は業務効率化、意思決定支援、顧客体験の向上など、多方面でその価値を発揮し始めています。

そして、AIの進化は止まることなく、情報検索の分野においても革命的な変化をもたらしています。

今回紹介する「Perplexity AI」は、現在主流となっている「検索エンジン」とは大きく異なる特徴を持っています。その特徴とは次のようなものです。

対話型AI検索エンジン:

  • Perplexity AIは質問に直接回答を提供する対話型の検索エンジンです。
    利用者がキーワードだけではなく、自然な言葉で質問を投げかけると、AIがその意図を理解し、適切な回答を生成します。日本語での質問も可能です。

情報の信頼性と透明性:

  • 回答には根拠となるウェブサイトのURLが示されるため、情報の出典を確認することができます。
    利用者は提供された情報の信頼性をその場で確認することが可能です

自然言語処理と機械学習の活用:

  • Perplexity AIは自然言語処理'(NLP)と機械学習を駆使してユーザーの質問に対する回答を生成します。
    これにより、より人間らしい対話が可能となり、利用者の意図をより正確に捉えることができます

多言語対応とアクセシビリティ:

  • Perplexity AIは日本語を含む複数の言語に対応しており、さまざまな国のユーザーが自国の言語で情報を検索できます。

これらの特徴により、知りたい情報が「簡単に、信頼性のある情報がすぐ表示される」

それがPerplexity AIです。

また、2024年4月下旬、ソフトバンクとPerplexityの提携が発表されています。

参考:AI検索の米新興パープレキシティ、ソフトバンクと提携 契約者は1年無料

この提携により日本の個人向け、企業向けともに利用者の裾野が広がることが予想されている注目のツールです。

ツールの紹介:Perplexity AIの主要機能

対話型検索機能

Perplexity AIは対話型の検索エンジンです。

従来の検索エンジンで検索する際はキーワードを指定するだけでしたが、Perplexityは指定されたキーワードから検索意図を理解して、適切な検索ワードを生成し、提案をしてくれます。

ユーザはその内容から選択したり、新たに検索ワードを指定する事も可能です。

このような検索エンジンとのやりとりをすることで、より効率的な検索が可能となります。

複数の情報源からの情報収集

①情報の取捨選択が容易

Perplexityの回答は、複数の情報源から得られた情報を統合して1つの回答にまとめてくれます。

従来の検索エンジンでの検索では、検索結果に表示されたWEBサイトの内容をユーザが確認して、情報の取捨選択を判断する必要がありましたが、Perplexityではその必要はありません。

②ファクトチェックが容易

チャット型AIとして爆発的にユーザを獲得したChatGPTや、その他のツールのGemini、Claudeなどは非常に優秀ですが、「その出力は必ずしも正確ではない」という性質があります。

そのため、「重要な情報を自分で確認(ファクトチェック)」する必要があります。

Perplexityは情報源を常に提示してくれるため、ファクトチェックを容易に行う事ができます。

使い方によってはChatGPTなど他のツールの出力結果のファクトチェックを行う際に利用することも可能です。

質問のフォローアップ

検索結果を表示した際に、Perplexityは関連する複数の質問を自動で生成し提案してくれます。

ユーザは提案された質問を選択する事で続きの検索をする事が可能となり、前の質問との関連情報を効率的に入手することができます。

複数の言語モデルの利用(有料版のみ)

Perplexity AIの有料版である「Pro」を利用した場合では、GPT-4 TurboやClaude 3 Opusなどの高性能な言語モデルを利用しています。

ユーザは利用するモデルを変更して検索する事で検索結果を見比べる事が可能です。

Perplexity AIの料金体系

会員登録・無料プランと有料プランについて

Perplexitiの基本的な機能は会員登録不要で使用する事ができますが、その場合は「検索スレッドを記憶する事ができない」など一部制限があります

また、会員登録した場合の無料プランと有料プランの違いについての概要は次の画像の通りです (Perplexity公式情報 より2024年5月現在)

無料プランの特徴

無料プランの特徴を以下に簡単にまとめました。

基本的な機能は利用可能ですが、制限があります。

  • 検索機能: AIがインターネット上から情報を検索し、自動生成してくれます。
  • Pro検索: GPT-4を使用した生成が可能ですが、使用回数に制限があり(例:5回/4時間)。
  • スレッド履歴: 検索履歴の閲覧が可能です。

有料プランの特徴

有料プランでは、すべての機能が使用可能となり、より高度な機能を使用したい場合、または数多く利用したい場合は回数無制限の有料プランの方が有用です。

  • 料金: 月額20ドルまたは年額200ドルで利用可能です。
  • Pro検索: GPT-4を300回以上/1日使用できます。
  • 無制限のファイルアップロード: ファイルアップロードに制限がなくなり、より多くのデータを扱うことができます。
  • 画像生成機能: 有料プランでは画像生成機能も利用できます。
  • AI Profile機能: 自分だけのPerplexity AIを最適化するためのプロファイル設定が可能です。
  • 年払いプランの特典: 年払いプランでは7日間の無料トライアルがあり、キャンセルしない場合は無料トライアル期間終了後に200ドルが請求されます

企業向けプランについて

Perplexity は「Enterprise Pro」という企業向けに特化した高度な機能を備えたプランが用意されています。このプランは、特にセキュリティとデータプライバシーを重視しており、企業が効率的かつ安全に情報を検索し、活用するための多くの機能を提供しています。

料金は1ユーザにつき月40ドルまたは、年間400ドル。検索機能自体は個人向けプランと変わりませんが、企業向けということで、「ユーザ管理」や「シングルサインオン」の機能が提供されています。

セキュリティやデータプライバシーの保護に関して、「企業のデータをAIのトレーニングには使用しない」、「ファイルのアップロート通知機能」などの対応がされています。

具体的な使い方:Perplexity AIの使用方法

Perplexity の使用方法はとても簡単です。PC利用であればブラウザまたはChrome拡張機能。その他にスマートフォン用(iOS、Android)のアプリもあります。

ブラウザでの利用方法

基本的な操作

ブラウザから利用する場合は、

Perplexity AIにアクセス

②検索窓に質問を入力

③検索実行(→(右矢印)をクリック)

これだけです。

検索時にPro検索を行う場合は、Proの左にある「●」をクリックし右側に移動するする必要があります。(Pro検索の利用は会員登録が必要です。また、無料プランの場合は1日の使用回数に制限があります)

質問を入力後、5~10秒ほどで回答が表示されます。

出典元の確認方法

各行の末尾にある丸数字にマウスのカーソルを移動させると、その情報源を確認する事ができまるす。そのまま出典元にアクセスすることも可能です。これにより回答内容を実際に自分の目で確認する事ができます。

関連する質問の使い方

Perplexityからの回答の下部には関連する質問が自動的に表示されます。

この質問の右に表示されている「+」をクリックすると、類似するトピックを追加質問する事ができます。次々に関連する質問を提案してくれるため、非常に便利です。

クリックすると以下の画面のようにスレッドが続きます

Chrome 拡張機能

Perplexity AIはChromeの拡張機能で使用することもできます。

Chromeの拡張機能は、「Chromeウェブストア」で検索し、インストールします。

Perplexity AIのChrome拡張機能の特徴

Chrome拡張機能のPerplexityはWEBページを要約する事ができます。

使用方法は簡単。Chromeの右上の拡張機能Perplexityアイコンから「summarize」を選択するだけで要約してくれます。

スマートフォン用アプリ

iOS用、Android用それぞれにアプリを使用する事が可能です。

特に難しい操作は不要で、すぐ使い始める事ができます。

■参考(App StoreのPerplexity)

まとめ:Perplexity AIは新時代の検索ツール

この記事ではPerplexityの概要や使用方法を説明しました。Googleが一強と呼ばれる検索ツールの中で、Perplexity AIは検索の常識を変えるツールと言っても過言ではないと言えます。

これまでの内容を少し振り返ります。

①対話型AI検索エンジン

Perplexityは検索キーワードを入れるだけで、検索の意図を理解し適切な回答を示してくれます。結果をまとめて表示してくれるため、検索結果に表示されたサイトへ確認に行かなくもても検索結果を確認する事ができます。

②情報元の明示

質問への回答をしてくれる際に、情報元を明示してくれます。根拠となる情報を明示してくれることにより、より信頼性の高い情報として回答を使用する事ができます。

③無料で基本機能を利用可能

無料で利用可能で、さらに会員登録をしなくても利用可能。回数制限がありますが、Pro検索も利用可能です。

これらの特徴を持つPerplexity AIはただの検索を超えてAIがきめ細やかに対応してくれるおかげで、情報検索の効率化を図ることができます。また、WEBアプリ、Chrome拡張機能、スマートフォンアプリ、様々な場所で使用する事ができます。

基本的な機能は無料で使用する事ができますので、まずは無料版でその機能を体験することをお勧めします。無料で使用した結果、さらに利用する必要性を感じたら有料版に切り替えるのが良いと思います。ぜひ一度使用してみてください。