「Midjourneyの無料版が終了したのはどうして?」
「次に使うべきAI画像生成ツールは何?」
芸術的で高クオリティな画像を作れる画像生成AIとして人気の「Midjourney(ミッドジャーニー)」。
2023年3月28日に突然無料版が廃止になってしまいました。
AI画像生成ツールの変化は著しく、「次にどのツールを使えばいいか」選択肢が多すぎて迷ってしまうかもしれません。
そこで今回は、「Midjourneyの無料版廃止の背景」や「他の選択肢として試すべき無料で使えるAI画像生成ツール」をご紹介します。
さらに、ユーザーが気になる「Midjourney無料版が再開される可能性は?」といった最新情報にも触れていきますよ。
Midjourney無料版は廃止に!その理由と背景は?
Midjourneyの無料プランは2023年3月28日をもって廃止されましたが、2024年8月に無料版の試用復活が決まりました。安定してMidjourneyを利用するには、有料プランに加入しましょう。
当初Midjourneyは無料で試せるプランを提供していましたが、2023年3月に廃止されてしまいました。
現在もスポットで無料版が限定復活することがありますが、安定して利用するには有料プランへの加入が必要です。
これにより、多くのユーザーが無料で気軽に使えなくなり、Midjourneyの利用に関する議論が再燃しています。
では、どうして無料プランが廃止になってしまったのでしょうか?
無料版が廃止になった理由と背景
無料版停止の背景には、いくつか重要な理由が存在します。
そのなかでも、主な理由とされるのが
- 利用者の増加に伴うサーバーへの負荷
- ディープフェイク問題
として挙げられています。
利用者の増加に伴うサーバーへの負荷
Midjourneyが無料版を終了した理由の1つに「利用者の急増によるサーバー負荷」があります。
無料の画像を得るため、複数の使い捨てのアカウントを作る手法が横行。
これにより一時的なGPU不足が起こり、サービス提供に支障をきたす結果となってしまいました。
こうした生成画像AIの不正利用は、AIツールの倫理的な問題や、著作権に関わる潜在的なリスクが無視できないレベルに達したための措置と言われています。
ディープフェイク問題
2つ目の理由が「ディープフェイク問題」です。
生成された画像が、ディープフェイクなどの不正な目的で使用されるリスクも問題視されています。
例えば、ドナルド・トランプ前アメリカ大統領が逮捕されたシーンがフェイク画像として拡散されたことがありました。
AIを使った画像生成技術は非常に高度化しており、現実と見分けがつかず混乱を招くことがあり、社会問題として注目されています。
今回Midjourney無料版が廃止したことは、ディープフェイクの拡散防止があるのではないかと推察されています。
Midjourneyの有料プランは4つ!おすすめプランはどれ?
Midjourney無料版が廃止された今、どのプランを選択すれば良いのでしょうか。
Midjourneyには4つの有料プランが用意されており、それぞれ価格や機能が異なります。
ここからは、Midjourneyが提供する4つの料金プランの特徴を解説していきます。
Midjourneyの料金プラン
Basic Plan | Standard Plan | Pro Plan | Mega Plan | |
金額 | 月額:$10 年間:$96($8/月) | 月額:$30 年間:$288($24/月) | 月額:$60 年間:$576($48/月) | 月額:$120 年間:$1152($96/月) |
GPU時間(高速生成時間)※ | 3.3時間/月 | 15時間/月 | 30時間/月 | 60時間/月 |
リラックスモード(GPU時間を消費せず生成) | – | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
追加GPU時間の購入 | $4/時間 | $4/時間 | $4/時間 | $4/時間 |
ダイレクトメッセージで一人で作業する | ○ | ○ | ○ | ○ |
ステルスモード※ | – | – | ○ | ○ |
最大同時画像生成数 | 3枚/待ち時間ありで10枚 | 3枚/待ち時間ありで10枚 | 高速で10枚 リラックスモードで3枚 待ち時間ありで10枚 | 高速で10枚 リラックスモードで3枚 待ち時間ありで10枚 |
生成可能枚数 | 200枚まで | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
※GPU時間:1ヶ月あたりに高速の画像生成に使える時間のこと。Basicプランは月3.3時間ですが、画像枚数では約200枚に換算です。
※ステルスモード:通常、生成条件やDiscordのハンドルネームがすべてDiscord内のギャラリーで公開されてしまいます。ステルスモードでは、自身が生成した画像を非公開にできます。
Midjourneyは有料プランであれば基本的に商用利用が可能になっています。
年間100万米ドル以上の売上を超える企業の場合
規模の大きな企業がMidjourneyを商業的に利用する際のガイドラインとして設けられています。
年間100万米ドル(2024年9月時点で約1億5,600万)以上の売上を超える企業がMidjourneyの画像を商用利用する場合、有料プランの中でも「Pro」・「Mega」いずれかに加入していなければなりません。
これは、企業の規模に応じた利用料を支払うことで、公平な利用環境を提供することを目的にしています。
用途別のおすすめプラン
「どの有料プランを選べば良いのかな?」
4つの有料プランのなかで、自分に合うプランがどれか迷ってしまうこともありますよね。
そこで独自に、用途に合ったおすすめプランを選んでみました。
初心者には「Basicプラン」
初めてMidjourneyを利用する方は、Basicプランから始めるのがおすすめです。
月に200枚ほどの生成枚数はテストや試作には十分な量ですし、月額$10という価格は手頃です。
初めてAI画像生成を体験する方にとって、コストを抑えながら機能を試すことができますよ。
定期的に画像生成が必要なクリエイターやデザイナー「Standardプラン」
定期的に画像生成が必要な場合は、Standardプランがおすすめ。
このプランは、Basicよりも生成回数が多く、スピードも速いため、時間効率が求められる場合に適しています。
フリーランスや小規模ビジネスのプロジェクトに使用する場合に便利です。
プロとしてクライアントワークに使う場合「Proプラン」
クライアントワークにMidjourneyを利用する場合は、Proプランがおすすめです。
非公開での画像生成が可能なため、クライアントとの機密プロジェクトにも対応可能です。
さらに無制限のアクセスができるため、大規模なプロジェクトや多くのクライアントを抱えるデザイナーにも適しています。
Midjourneyは途中でアップグレード・ダウングレードも可能です。その時のニーズや用途にぴったり合ったプランを柔軟に選択しましょう!
無料で使える!Midjourneyの代替AI画像生成ツール4選
Midjourneyの無料版が終了した今でも、無料で使える他のAI画像生成ツールは数多く存在しています。
そこでここからは、Midjourney以外で試すべきをAI画像生成ツールを4つご紹介します。
Stable Diffuison
- 無料で利用可能
- オープンソースなので無料で誰でも利用できる
- Web版・ローカル版の作業環境がある
- 商用利用は基本的に可能
「Stable Diffuison(ステイブル・ディフュージョン)」はStability AIによって開発された画像生成AI。
Midjourneyと同様に入力されたテキスト情報や画像データをもとにして画像を生成します。
Midjourneyと比較して一番の違いは、オープンソースで提供されており、課金せずに無料で利用できるということ。
また、MidjourneyはDiscordを通じてアクセスする方法でしたが、Stable DiffuisonはWEB版とローカル版の2つの作業環境があります。
自身のPCに作業環境を構築することができ、自由にカスタマイズできます。
Stable Diffusionで生成した画像は、基本的に商用利用が可能ですが、一部のケースに限り、商用利用が禁止されています。
DALL-E 3
- 基本的に無料で利用可能
- 日本語対応している
- ChatGPTで生成した画像は商用利用可能
「DALL-E 3(ダリ・スリー)」はOpenAIによって開発されたAIモデル。
こちらも入力されたテキストをもとに画像を生成します。
Midjourneyとの違いで言えば、DALLE- 3は多言語対応のため、日本語でも利用可能です。
DALL-E 3の作業環境はオンラインのみで「ChatGPT」・「Microsoft Copilot」・「MicrosoftのBing Image Creator」で、いずれも無料で利用可能。
ただし、ChatGPTの場合は、1日最大2枚までの制限があるので注意が必要です。
さらに画像生成したい場合は、有料プランである「ChatGPT Plus(月額$20)」にアップグレードしましょう。
商用利用については、ChatGPTで生成した画像は利用可能、他サービスは利用規約の確認が必要です。
Canva AI
- 基本機能は無料で使用可能
- 日本語対応している
- 商用利用可能
「Canva AI(キャンバ エーアイ)」はオンラインデザインツールのCanvaにあるAI画像生成サービスです。
クレジット付与の範囲内であれば、Canvaの会員登録をするだけで無料で利用可能。
Canva AIの特徴は、初心者でも扱いやすい直感的なプラットフォームであること。
特別な専門知識がなくても、誰でも気軽に操作できるのがポイントです。
Canva AIで作成した画像は商用利用が可能で、クレジット表記も必要ありません。
Adobe Firefly
- 無料プランあり
- 高品質な画像生成が可能
- 編集機能で画像のアレンジ可能
- 著作権への配慮があり、商用利用に最適
Adobe Firefly(アドビ ファイアフライ)は、名前のとおりAdobe社が提供する画像生成AIサービス。
Adobe Fireflyの特徴は、生成される画像のクオリティの高さと画像編集機能。
テキストを入力するだけでかなり質の高い画像を作成でき、さらに作成した画像を、複数の編集機能を使ってワンタッチ操作で編集できます。
画像編集機能は他の生成AIにはない、独自機能です。
また、Adobe Fireflyを通じた画像生成には、
- オープンライセンスのコンテンツ
- 著作権切れのコンテンツ
- Adobe Stock
が使われているため、商用利用にも最適と言えます。
Midjourney無料版が今後復活する可能性は?
2024年8月に無料試用が限定復活することが発表されました!最大25枚まで画像生成可能とのことです。
Midjourneyの無料版が終了して以降、多くのユーザーからその復活を待ち望む声が聞こえています。
今後、無料版が完全復活する可能性はあるのでしょうか?
最後にMidjourney公式の発信する最新情報と、過去の事例を踏まえた今後の動向について、検討してみました。
Midjourney公式の『X(旧:Twitter)』情報
Midjourneyの無料トライアルに関する最新情報は、主に公式Xやコミュニティで発信されています。
公式Xでは、無料トライアルが一時的に再開されることが告知されたこともありますが、期間限定のものばかりです。
▼Midjourney公式X(無料試用の限定復活を知らせるもの)
無料版再開の可能性は?過去の事例を踏まえて
過去にMidjourneyは無料版を再開した事例がいくつかあります。
しかし、その多くは期間限定で、主に新機能のプロモーションや新規ユーザー獲得のために行われるものでした。
2024年8月の無料試用の復活は「Discord」不要のWeb版が全ユーザーに解放されたことを記念したものです。
過去の事例から判断すると、無料版が再度復活する可能性はありますが、期間限定や特定条件下での提供になることが予想されます。
フェイクニュースの問題やリスクなどを考えると、今後も無料版の完全復活はあまり期待できないのではないでしょうか。
Midjourney無料版終了はなぜ?おすすめ無料AIツール4選:まとめ
Midjourneyの無料版が終了した背景には、ユーザーの不正利用やディープフェイクといった問題が影響しているとされています。
こうした問題は、AIツールはより厳格な規約を設定する必要になりました。
Midjourney無料版に代わるツールとして、Stable DiffuisonやAdobe Fireflyといった無料で使える優秀なAI画像生成ツールがあります。
これらのツールを比較しながら、自分に合ったものを選ぶことで、無料でも高品質な画像を作成することが可能です。
商用利用に関しては、各ツールの利用規約をしっかり確認することが重要です。
Midjourneyをはじめとする多くのツールは、クレジット表記やライセンス取得が必要な場合があります。
使用前に必ず最新の規約を確認するようにしましょう。