はじめに
Microsoft Build 2024 概要
2024年 5月、マイクロソフトは毎年恒例の開発者向けカンファレンスである Microsoft Build を開催しました。
今年の Build は、「AI によって強化された未来」をテーマに、AI がもたらすテクノロジーの革新と、開発者や企業に与える影響について深く掘り下げました。
AI は、創造性、生産性、コミュニケーションを飛躍的に向上させる可能性を秘めています。
Microsoft Build 2024 では、マイクロソフトが開発者と企業が AI を活用してイノベーションを起こせるよう、様々なツールやプラットフォームを発表しました。
こちらの記事では、見逃した方や最新情報を追いたい方向けに、内容をわかりやすく解説していきます。
Copilot+ PC
新カテゴリーの AI 最適化 PC 登場
Microsoft Build 2023 で最も注目を集めた発表の 1 つは、Copilot+ PC の登場です。
Copilot+ PC は、AI によって強化されたまったく新しいカテゴリーの Windows PC です。
専用 NPU (ニューラル プロセッシング ユニット) と Microsoft の最先端 SML (スモール ランゲージ モデル) を搭載することで、従来の PC よりも最大 20 倍高速な AI ワークロードを実行できます。
Copilot+ PC は、以下の革新的な機能を備えています。
Recall: 過去に閲覧したアプリやファイルを簡単に見つけ出すことができます。
Cocreator: 手書きやテキストの指示をリアルタイムで画像に変換できます。
ライブ キャプション: 40 以上の言語から英語に音声をリアルタイムで翻訳できます。
これらの機能により、Copilot+ PC はユーザーの生産性、創造性、コミュニケーションを向上させるだけでなく、これまで不可能だったまったく新しい AI 体験を可能にします。
Microsoft Fabric と Real-Time Intelligence
リアルタイムデータ活用によるアプリケーション高速化
Microsoft Fabric ：開発者がリアルタイムデータにアクセスして処理できるようにする分散型マイクロサービスアーキテクチャでReal-Time Intelligence ：Microsoft Fabric 上で動作する AI サービスであり、開発者がアプリケーションにリアルタイムの洞察とインテリジェンスを追加できるようにします。
Microsoft Fabric と Real-Time Intelligence を組み合わせることで、開発者はリアルタイムデータを活用し、顧客体験の向上や異常検知、ブランド評判分析などのアプリケーションを構築できます。
これにより、企業は迅速な意思決定と顧客満足度の向上を実現できます。
また、ローコード/ノーコード開発とプロ向け開発の両方に対応しているため、開発者は自分のスキルレベルやニーズに合った方法でアプリケーションを構築することができます。
GitHub Copilot
サードパーティパートナーとの連携による拡張機能を発表
GitHub Copilot は、開発者がコードをより速く、より簡単に記述できるようにする AI 支援コーディングツールです。
Microsoft Build 2024 では、GitHub Copilot がサードパーティパートナーと連携して拡張機能を提供することが発表されました。
これにより、開発者は GitHub Copilot を使用して、以下のことができるようになります。
- さまざまなプログラミング言語やフレームワークでコードを生成する
- コードをデバッグしてテストする
- コードを文書化する
これらの拡張機能により、GitHub Copilot は開発者のためのさらに強力なツールとなり、開発者の可能性を無限に広げます。
GitHub Copilot for Azure による開発スピード向上：クラウド開発を効率化
GitHub Copilot for Azure は、Azure 上で動作する GitHub Copilot の新しいバージョンです。
GitHub Copilot for Azure は、以下の機能を提供します。
- Azure サービスに特化したコードの提案と生成
- Azure リソースのプロビジョニングと管理を支援するツール
- Azure 上で展開されているアプリケーションのデバッグとテストを支援するツール
GitHub Copilot for Azure により、開発者は Azure 上でアプリケーションをより迅速かつ簡単に開発することができます。
Azure AI
GPT-4o と Phi-3-vision の利用可能化
Microsoft Build 2024 では、Azure AI の新機能が発表されました。
その中でも注目すべきは、GPT-4o と Phi-3-vision の利用可能化です。
GPT-4o は、テキストとコードを生成できる大規模言語モデルです。
Phi-3-vision は、画像とビデオを理解できるコンピュータービジョンモデルです。
GPT-4o と Phi-3-vision を組み合わせることで、開発者は以下のようなアプリケーションを構築できます。
- 自然言語で指示を理解し、タスクを自動化するチャットボット
- 画像やビデオから情報を抽出し、分析するアプリケーション
- テキスト、画像、音声のシームレスな統合を実現するマルチモーダル AI 体験
これらのアプリケーションは、これまで不可能だったまったく新しいレベルのユーザーとのインタラクションとエンゲージメントを実現します。
AI を活用した教育への取り組み
Khan Academy との提携によるティーチングアシスタント Khanmigo for Teachers の無料提供を発表
マイクロソフトは、Khan Academy との提携を発表しました。
この提携により、マイクロソフトは Khan Academy のティーチングアシスタント Khanmigo for Teachers を無料で提供します。
Khanmigo for Teachers は、AI を活用して教師を支援するツールであり、教師は以下のようなことができます。
- 個々の生徒のニーズに合わせた学習計画を作成する
- 生徒の進捗状況を監視し、フィードバックを提供する
- 生徒が課題に苦しんでいる場合に支援を提供する
Khanmigo for Teachers は、教師のワークロードを軽減し、生徒の学習成果を向上させるのに役立ちます。
AI インフラの強化
Azure における AMD の先進的 AI アクセラレーターチップの利用
Azure に AMD の先進的な AI アクセラレーターチップを利用すると発表しました。これにより、Azure 上で実行される AI ワークロードのパフォーマンスとスケーラビリティが向上します。
カスタムプロセッサ Azure Cobalt 100 の Arm ベース仮想マシンプレビュー
カスタムプロセッサ Azure Cobalt 100 の Arm ベース仮想マシンプレビューを発表しました。
Azure Cobalt 100 は、AI ワークロード向けに設計された高性能プロセッサです。
Copilotの進化
Copilot for Microsoft 365 から Team Copilot へ
Copilot for Microsoft 365 が Team Copilot に改名されることが発表されました。
アプリケーション内で Copilot を使用できるようにするツールです。
Team Copilot は、チームでの作業とコラボレーションを強化する機能を提供します。
Microsoft Copilot Studio によるエージェント機能と独自 Copilot 構築支援
Microsoft Copilot Studio が新しい機能で強化されることが発表されました。
プラグインやコネクタによる Copilot 拡張機能
Copilot は、プラグインやコネクタを介して拡張することができます。
これにより、開発者は Copilot に新しい機能を追加したり、独自のワークフローに合わせてカスタマイズしたりすることができます。
まとめ
Microsoft Build 2024では、AIを活用した未来を実現するための様々なツールとプラットフォームが発表されました。
これらの発表は、開発者がAIを活用して以下のことが可能になることを示しています。
AIで強化されたアプリケーションの構築: これまで不可能だった機能や、より直感的な操作性を実現したアプリケーションを開発することができます。
- AIで強化されたアプリケーションの構築: これまで不可能だった機能や、より直感的な操作性を実現したアプリケーションを開発することができます。
- 開発プロセスの効率化: コーディングやデバッグなどの作業を自動化することで、開発者の生産性を向上させることができます。
- 顧客体験の向上: 顧客のニーズをより深く理解し、個々の顧客に合わせた最適なサービスを提供することができます。
- すべての人に質の高い教育を提供: 個々の生徒に合わせた学習プランを作成したり、学習進捗を管理したりすることで、より効果的な教育を提供することができます。
Microsoft Build 2024で発表された革新的なテクノロジーは、私たちが仕事や生活をする方法を大きく変える可能性を秘めています。
今後、AI技術がどのように進化していくのか、そしてどのような新しいアプリケーションやサービスが登場するのか、楽しみですね。
