Difyは直感的なノーコードUIで、プログラミング初心者でも手軽にAIアプリを開発できるプラットフォームとして注目を集めています。

その手軽さから、Difyで開発したアプリを導入している企業も数多くあります。

しかし、これからDifyの商用利用を検討している場合、

「Difyをビジネスに活用したいけど、何か利用条件がある?」

「違反したらペナルティはある?」

そんな疑問を持つ方も多いはず。

今回は、Difyの商用利用に関する重要なポイントを分かりやすく解説。

  • 著作権表示やロゴの取り扱い
  • ライセンスに基づく利用制限
  • 契約違反時のペナルティ

などを具体的に説明していきます。

これらの情報を知っておくことで、Difyを安心して利用でき、ビジネスの効率化が図れますよ!

【Dify】商用利用には一定の条件あり!

Difyは商用利用が可能なオープンソースソフトウェアですが、一定の条件があるので注意が必要です!

Difyの商用利用におけるガイドラインを理解することで、適切なビジネス展開やリスク管理につながります。

ここでは、Difyを活用する際の

  • 商用利用が可能なケース
  • 商用ライセンスが必要な場合

について詳しく解説していきます。

商用利用が可能になるケース

Difyの商用利用が可能になるのは、以下のようなケースです。

▼商用利用が可能なケース

個人で利用する個人が収益を得る目的でDifyを使用する場合
小規模なビジネス組織年間収益が100万ドル未満の企業や組織が利用する場合
非営利組織教育機関や慈善団体など、非営利目的の場合
企業内部での利用企業内での業務効率化ツールとして利用する場合(会社の規模に関わらず可能)

このような場合が当てはまり、特別な許可はいりません。

ただし、Difyのロゴや著作権情報を適切に表示する必要があります。

ライセンス取得が必要なケース

また、Difyの商用利用のためには「ラインセンス」の取得が必要な場合と、そうでない場合があります。

▼ライセンス取得が必要なケース

大規模なビジネス組織年間収益が100万ドル以上の大企業や組織が利用する場合
マルチテナントSaaSサービス(※)として提供するDifyを使って開発したAIシステムをSaaSとして複数の企業に提供する場合
ホワイトラベル製品Difyを使って開発したAIアプリを自社製品として販売したり、他社に自社サービスとして提供する場合
ロゴや著作権情報の削除・変更ロゴや著作権情報を削除したり、変更したりする場合

マルチテナントSaaSサービスとは

「SaaS」とは「Software as a Service」の略語で、クラウドサービスとして提供されるソフトウェアのことを指します。

「マルチテナントSaaSサービス」とは、複数の利用者で共有できる構造になっているクラウドサービスのことで、例を挙げるなら「Google Workspace」や「Microsoft365」などがそれにあたります。

1つのビル(サービス)に、複数のテナント(ワークスペース)が入所しているようなイメージです。

ライセンスを取得する必要があるときは、Dify公式へ問い合わせ(hello@dify.ai)を行います。

ちなみに、ライセンス料は利用規模や用途によって異なるため、個別相談になることが一般的なようです。

商用利用する際は、必ず「Difyオープンソースライセンス」を目を通しておきましょう!利用する状況によって適用が異なる場合や、内容がこまめに更新されることもあり、一度確認しておく方が安心ですよ

【Dify商用利用時の注意点】契約違反を避けるための4つのポイント

商用利用時に心配なのが、契約違反時のペナルティについて。

契約違反時のペナルティは、場合によってサービス停止や法的措置まで及ぶこともあり、避けなければなりません。

最悪の事態にならないために、以下の4つのポイントをおさえましょう!

これらのポイントを押さえることで、契約違反のリスクを大幅に減らすことが可能です。

契約違反を避けるためのポイント
  1. ライセンスの使用範囲を遵守
  2. ワークスペースの管理
  3. 利用規模の把握をする
  4. 支払い遅延や未払いに注意する

それぞれ順番に確認していきましょう。

1.ライセンスの使用範囲を遵守

Difyを商用利用する場合、ガイドラインの理解と遵守が重要です。

Difyオープンライセンス(https://docs.dify.ai/policies/open-source

例えば、Difyのロゴや著作権情報を削除するなど、ライセンス契約に違反した場合、当然ですが、利用者はペナルティを受ける可能性があります。

無断での使用は

  • サービス停止
  • 追加料金の請求
  • 法的措置

に発展することもあるので、ライセンスの使用範囲は必ず遵守しましょう。

もし、使用範囲について不安なことがあれば、公式サポートに確認するようにしましょう。

2.ワークスペースの管理

Difyではプロジェクトごとにワークスペースを作成して管理することが可能です。

しかし、複数のワークスペースを作成する場合、ライセンスの制限が存在するため気をつけましょう。

追加のワークスペースを作成する際には、ライセンスのアップグレードが必要になることがあります。

例えば、大規模な企業やSaaSプロジェクトでは、複数のワークスペースが必要になることが多いです。

ワークスペースを効率的に管理するためには、適切な権限設定とプロジェクトごとの明確な区分が重要。

  • 各チームや部門ごとにワークスペースを分ける
  • プロジェクトの進捗管理やデータの分離を徹底する

など工夫することで、混乱を避け、運用を円滑に進めることができますよ。

3.利用規模の把握をする

Difyは年間収益100万ドルを超えると、ライセンス取得が必要になります。

知らない間にライセンス取得基準を超えることがないよう、月間アクティブユーザー数や年間収益などを定期的チェックしておきましょう。

ライセンス取得基準が近づいた場合は、ライセンス取得のため、公式サポートに問い合わせをしておくと無難です。

4.支払い遅延や未払いに注意する

契約期間中にライセンス使用料の支払いが遅れた場合、Difyのサービスが一時停止される可能性があります。

さらに、未払いが続いた場合は、契約違反として厳しい対応が取られることがあるので気をつけましょう。

Dify商用利用の活用事例

Difyで作成できるアプリケーションは、チャットボットや検索システムなど、さまざま。

AIの出力を活用したものであれば、Difyならサクッと作れてしまいます。

以下に、いくつかのDifyで作成したアプリを商用利用する場合の活用事例を考えてみました。

AIコンシェルジュ付き旅行プランニングサービス

Difyを活用して、ユーザーの希望や予算に基づいたカスタマイズ旅行プランを提供するサービス。

  • ユーザーが旅行の目的地、予算、好みのアクティビティをDifyに入力。
  • Difyがオンライン上の宿泊施設、観光スポット、アクティビティデータをスキャンし、個別にカスタマイズされた旅行プランを自動生成。
  • プランには移動手段やレストランの予約、現地での体験活動などが含まれ、ユーザーの要望に合わせて柔軟に変更可能。
  • Difyはリアルタイムで天気や交通状況などの情報も提供し、旅行中のサポートも行う。

AIヘルスケアプランニングと遠隔医療支援

Difyを活用して、個人の健康データに基づくパーソナライズドヘルスケアプランを提供し、さらに遠隔医療サービスを支援するモデル。

  • ユーザーが日々の健康データ(食事、運動、睡眠など)をDifyプラットフォームに入力またはウェアラブルデバイスと連携。
  • Difyが入力されたデータを分析し、最適な健康管理プランや栄養提案を自動で作成。
  • 必要に応じて、ユーザーはAIがマッチングした医療専門家と遠隔で相談できる機能も提供。

AIパワード教育プラットフォーム

Difyを使用して、個々の学生の学習スタイルに合わせた教育コンテンツを提供するオンライン教育プラットフォームを構築。

  • 学生の学習履歴、興味、進捗データをDifyに取り込み、AIが個別の学習プランを作成。
  • 学生ごとに最適な教材や演習問題を自動で提供し、弱点を克服するためのコンテンツを推奨。
  • 学生の進捗をリアルタイムで評価し、教師やチューターにフィードバックを提供。
  • 継続的にAIが学習効果を分析し、プランをアップデート。

これらはDifyで作れるアプリケーションの一部ですが、アイデア次第でさまざまな分野やニーズに対応したAIアプリを作成できますよ!

Difyの特徴・利用料金

Difyの主な特徴と利用料金を解説します。

Difyとは?

Difyは生成AIアプリを開発できるオープンソースプラットフォーム。

ノーコード/ローコードのため、プログラミングの専門知識がないユーザーでも、

  • チャットボット
  • データ解析ツール
  • カスタマーサポートAI

など、さまざまなAIアプリケーションを手軽に作成・運用できます。

Difyの特徴

そんなDifyの主な特徴は、以下の5つです。

直感的なUI(ユーザーインターフェース)直感的なUIで、プログラミングの知識がなくても、ドラッグ&ドロップ操作でアプリケーションを構築できる
テンプレート用意されたテンプレートをカスタマイズすれば、短期間でアプリが構築できる
豊富なモデルサポート多様なAIモデル(OpenAI、Anthropic、Azure OpenAI、Hugging Faceほか)のサポートがあり、柔軟な活用できる
多様な外部サービスの組み込みGoogle検索、Slack、Dell-E、Stable Diffusionなどの外部ツールが組み込める。これにより高度な機能を持つAIアプリ開発が可能
ナレッジ機能Difyに搭載されたRAGパイプラインを活用し、チャットボットアプリなどを作成できる

利用料金

difyには無料プランのほかに、規模に合わせて有料プランが3パターン用意されています。

支払い方法は月額払いと年額払いの2つ。

年額払いで契約する場合は、2ヶ月分の割引があってお得ですよ。

Dify商用利用を完全解説!4つの押さえるべきポイント&活用事例:まとめ

Difyを商用利用する場合には、

  • 著作権表示・ロゴの適切な表示
  • ロゴを削除したりカスタマイズするには、商用ライセンスを取得

を必ず守るようにしましょう。

これを怠ると、ライセンス違反としてペナルティが発生するリスクがありますよ。

Difyを安心して活用するには、ガイドラインや注意点を理解し、契約条件に従って適切に運用することが鍵。

これからDifyの商用利用を検討されている方は、ぜひ今回の内容を参考にしてみてくださいね。