ChatGPTが私たち一般人にも本格的な生成AIが使える機会をもたらしてくれてから、1年以上。
今や「Bard」や「Midjourney」など、さまざまな生成AIが話題になっています。
ただ、
「使ってみたいけど、どうやって始めればいいの?」
「もっと効果的に活用できないかな」
そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、生成AIを本当に使いこなすために必要な3つの重要スキルについて、具体例を交えながら詳しく解説していきます。
これを読めば、あなたも生成AIを自信を持って活用できるのは間違いなし。
また、生成AI活用において「初心者が見落としてしまいがちな注意点」もお伝しますので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
生成AI活用はこれからの必須スキル
- 生成AIを活用できるようになること
- そのための必須スキルを得ること
はこれからの時代を生きる私たちにとって避けては通れません。
なぜかというと、生成AIの登場は、仕事のあり方そのものを大きく変えるものだから。
業務によっては、専門家が集まって数十時間かかるような仕事も、生成AIなら5秒で終わらせることも可能なんです。
例えば、
- ビジネス文書の作成時間を大幅に短縮できる
- クリエイティブな作業のアイデア出しが格段に楽になる
- 複雑な情報を分かりやすく整理・要約できる
- プログラミングやデザインの補助ツールとして活用できる
など、生成AI活用には多くのメリットがあり、それを享受しない手はありません。
しかし、多くの人が「思うような結果が得られない」「使い方が分からない」といった悩みを抱えています。
そこで重要になってくるのが、必須スキルを学ぶことです。
生成AIを活用するための3つの必須スキル
ここからは、「これだけは外せない!」という必須のスキルを3つピックアップして解説していきます。
- プロンプトエンジニア
- データリテラシー
- クリティカルシンキング
ひとつずつ詳しく解説していきます。
1. プロンプトエンジニアリング:AIとの効果的なコミュニケーション術
まずご紹介する生成AI活用の必須スキルは「プロンプトエンジニアリング」。
プロンプトエンジニアリングは、簡単に言えば「AIに上手に指示を出す技術」です。
効果的なプロンプトを書ける人とそうでない人とが出す指示によって、結果的にAIが出力する答えの質が全然違うんです。
そこで、効果的なプロンプトを書くスキルを学ぶことが、重要になってきます。
プロンプトを書くときの基本は、AIが理解しやすい方法で伝えること。
そのためにはAIの特性について理解することが必須。
効果的なプロンプトの書くには、以下をおさえましょう。
▼効果的なプロンプトの書き方
具体的に指示を出す | 「良い文章を書いて」ではなく、「20代向けの、親しみやすい口調で、500文字程度のブログ記事を書いて」というように具体的に指示しましょう。 |
文脈を提供する | 「あなたは経験豊富なマーケティングコンサルタントです」のように、AIに役割や状況を設定すると、より適切な回答が得られます。 |
段階的に指示を出す | 複雑なタスクは、小さなステップに分けて指示すると、より精度の高い結果が得られます。 |
2. データリテラシー:データの読み書き能力」
2つめは「データリテラシー」です。
データリテラシーとは、データの価値を活かす能力、つまり「データの読み書き能力」のこと。
「生成AIはなんでも尋ねたら答えてくれるので、とりあえず質問を投げかけたらいいや」
と思っていませんか?
生成AIに価値ある仕事をしてもらおうと思うのならば、
- 「データリテラシー」を高めて状況を上手に分する
- 生成AIの特性を理解し、意味ある問いを立てて投げかける
必要があるんです。
データリテラシースキルは、以下の3つの力から構成されます。
▼データリテラシー
ビジネス力 | 課題背景を理解し、ビジネス課題を整理・解決に導く力。 |
データサイエンス力 | 情報処理・人工知能・統計学などの情報科学系の知識を理解し活用する力。 |
データエンジニアリング力 | データを意味のある形で扱い、実装・運用できる力。 |
これら3つの力は、いずれも欠けていてはバランスが取れなくなってしまいます。
とはいえ、データサイエンティストのような専門知識を持っている必要はなく、すべてを完璧に備えた人材にならなければいけないわけではありません。
生成AIをツールとして活用しながら、データリテラシーを高めつつ、仕事で成果を出せるような方法を学んでいくことがオススメです。
3. クリティカルシンキング:AIの出力を適切に評価する
3つ目のスキルは「クリティカルシンキング」。
クリティカルシンキングは、AIの出力を批判的に分析し、その価値や適用可能性を判断する能力のこと。
クリティカルシンキングは、AIを使いこなす上で最も重要なスキルの一つと言えます。
なぜなら、生成AIが出力した回答をそのまま自分の意見として発表することをしていると、「自分で考える力」がなくなり超情報化社会で情報の渦に溺れるしかないからです。
また、クリティカルシンキングができない人の特徴として
- 疑問を持てない
- 自分で問いを立てられない
というものがあります。
そうなれば、
「どこを目指したらいいのかわからない」
「ある主張のどこに問題があるかわからない」
「自分の意見が言えない」
という状態になってしまいます。
実践的なクリティカルシンキングのコツとしては、以下の2つが挙げられます。
▼クリティカルシンキングのコツ
目的を持って生成AIを活用し答えが目的と合致しているか確かめる | 目的を持って生成AIに質問を投げかけるようにしましょう。 そして、得られた結果が、当初の目的に合致しているか検討し、ずれが生じていたら改めて質問を投げかけるようにしてください。 |
最低限の「論理」について学び矛盾をチェックする | まずは生成AIの活用以前に、自分自身が「主張」「根拠」「論拠」などを使って論理的な主張を組み立てられるように訓練しましょう。 これができると、「他人の主張」「世の中の問題」「AIの回答」などについて、しっかりと精査することができます。 主張されている内容に矛盾や不自然な点がないかを確認できるようになると、AI活用の幅が飛躍的に広がります。 |
初心者でもすぐに実践できる!生成AI活用の具体例
では、これらのスキルを活かした具体的な活用例を見ていきましょう。
1. ビジネス文書作成の場合
ビジネスにおいて生成AIを活用することで業務時間を短縮できるケースは多々あります。
例えば、企画書を書く場合について「悪い例」「良い例」を比較しながらみていきましょう。
▼悪いプロンプト例
「企画書を書いて」
<出力結果>
▼良いプロンプト例
「新規事業の企画書を作成してください。対象は20-30代の女性で、美容関連のサブスクリプションサービスです。予算規模は初年度1000万円、5ページ程度でまとめてください。」
<出力結果>
「悪い例」はプロンプトが抽象的すぎます。
このようなプロンプトでは、さすがの生成AIもあなたのニーズにあった企画書を提案してくれることはありません。
「良い例」で示したように、「あなたがどんな情報を出力してほしいのか」ということを目的と具体的な指示を持って入力するようにしましょう。
2. ブログ記事作成の場合
また、フリーランスのライターなどとして活動する方などは「ブログを書く」ということにも生成AIを活用できます。
その際は、使い方にもコツがあります。
以下のように「悪い例」「良い例」を比較してみると、
▼悪いのプロンプト例
「AIについて記事を書いて」
<出力結果>
▼良いのプロンプト例
「生成AIの基礎知識について、IT初心者向けに、具体例を交えながら2000文字程度で解説する記事を書いてください。専門用語は可能な限り平易な言葉に置き換えてください。」
<出力結果>
このように、入力するプロンプトによって出力される記事の質も段違いです。
ただ、ブログ記事の内容に「専門性」「共感」などが含まれて「読者に価値を届けられているか」ということが問われるでしょう。
「適当にAIに記事を書いてもらうこと」はおすすめしません。
生成AI活用時の注意点とベストプラクティス
最後に、生成AI活用時の注意点と効果的な活用術についてみていきます。
ポイントは以下の3つです。
- 機密情報の取り扱い:個人情報や企業の機密情報は絶対に入力しないようにしましょう。
- 著作権への配慮:生成された内容を使用する際は、著作権に関する適切な確認と対応が必要です。
- 定期的な見直し:AIの性能は日々進化しているため、使い方も適宜アップデートしていきましょう。
これらは最低限必須の知識であり、基本の実践として叩き込むようにしてください。
これができないと、大切な情報が漏洩してしまい、生成AIを仕事で便利に使うどころの騒ぎではなくなってしまいます。
生成AI必須スキル3選!話題ツールを10倍活用する方法&注意点:まとめ
生成AIの活用は、決して難しいものではありません。
この記事で解説した3つのスキル「プロンプトエンジニアリング」、「データリテラシー」、「クリティカルシンキング」を意識しながら、小さなタスクから始めてみましょう。
最初は失敗することもあるかもしれませんが、それも学びの一部です。試行錯誤を重ねながら、徐々に自分なりの活用方法を見つけていってください。生成AIは、私たちの強力な味方となってくれるはずです。
さあ、今日から生成AIとの新しい関係を築いていきましょう。